日本で唯一のカトリック神学部を持つ大学について見ていきたいと思います。
日本のカトリック大学連盟に加盟している首都圏大学は5校のみとなっています。
メモ
上智大学
聖心女子大学
清泉女子大学
白百合女子大学
東京純心大学
この中で、聖心・清泉・白百合は大学の頭文字をとって3S女子大と呼ばれています。
女子大では就職サポートが手厚いところが多いところが多いですが、特に聖心女子大学は有名企業就職率が非常に高く、就職に強い女子大として有名です。
また、首都圏の女子大は数年前まで人気が低迷していましたが、近年復調の兆しを見せているため受験生は併願を考える上で注意が必要です。
東京純心大学は以前は女子大でしたが、2015年に聖マリアンナ医科大学と連携して看護学部を開設し、これに伴い共学となりました。
そんなカトリック連盟大学の加盟校で、唯一神学部を持つ大学が上智大学です。
※例えば、同じ神学部を持つ同志社大学はプロテスタント・キリスト教となります。
キリスト教への学問的アプローチ さまざまな方法論を活用して
神学は哲学、歴史、聖書、教義、倫理というきわめて多岐な分野からなる総合的な学問です。哲学や歴史学などのさまざまな方法論をフルに活用して、キリスト教に学問的なアプローチで取り組みます。
上智大学 所在地:東京都千代田区、東京都新宿区、東京都練馬区 設置学部: 四谷キャンパス…神学部、外国語学部、文学部、法学部、経済学部、理工学部、総合人間科学部、総合グローバル学部、国際教養学部 目白聖母キャンパス…総合人間科学部看護学科の1・4年次 石神井キャンパス…神学部の一部科目 上智大学は早慶上理の一角として私立大学で最難関の大学群とされていますが、早慶と比べると入試日程が早いこともあり近年多くの補欠入学者を出しています(昨年度入試では3月26日に補欠繰り上げ合格が発表された学科も複数ありました)。 また、あまり知られていませんが法学部や経済学部、総合グローバル学部等では成績優秀者は3年での早期卒業が可能となっています。
注意 国際教養学部はかつての比較文化学部で2006年に改組されました。学生比率は日本人約70%、外国籍の学生約30%ですが日本人でも二重国籍や大半を海外で過ごしてきた学生も多く、出願資格も特殊なため入学を検討する際には注意が必要です。選考は書類のみで行われますが、事前にSATやACTといった大学進学適性試験の受験が必要となります。
余談ですが、アルディート株式会社という進学イベントの企画・運営を手掛ける会社が毎年東京キリスト教6大学進学相談会を全国開催しており、下記の大学が参加しています。
- 青山学院大学
- 国際基督教大学
- 上智大学
- 東京女子大学
- 明治学院大学
- 立教大学
そんな上智大学神学部では様々な分野で活躍出来る人材育成を目指し、世界中のカトリック大学と連携しながらキリスト教の基礎知識と教養を身に付けていきます。
キャンパスは基本四谷キャンパスで講義を受けますが、一部科目は石神井キャンパスのようです。
クリスチャンでなくてもキリスト教を学ぼうとする人に門戸を開いており、定員数も他学部と比較して少ない点から、少人数で一人ひとりにきめ細かな指導が出来るような教育環境となっています。
※設立当初はカトリック教会の聖職者と宗教教育に携わる人々の養成を目的としていたようです。
とは言え、一般入試では面接も課されるため、キリスト教に関する知識や関心を持っていないと厳しそうですね。
そして専門性を深めるため、3年次に「神学系」「キリスト教倫理系」「キリスト教文化系」から選択します。
メモ
神学系:教義学、教会史、司牧神学、典礼神学を学びます。大学院のカリキュラムに直結しており、司祭等を目指す場合は神学系を選びます。
キリスト教倫理系:いのちの倫理と社会倫理を学びます。
キリスト教文化系:キリスト教の思想や芸術を学びます。
神学部と聞くと就職先に司祭や修道者といったイメージを持たれがちですが、一般企業への就職する学生も少なくはありません。
上智大学神学部の卒業後の進路状況は
4割 企業就職 / 2割 カトリック教会の司祭や修道者 / 2割 カトリック学校の教職 / 2割 大学院進学
のようです。