東京都渋谷区。
青山学院大学へ向かう道すがら、その正面に位置する建物が気になった人もいるのではないでしょうか?
これは国連が唯一日本に本部を置いている、国際連合大学(UNU:United Nations University)という自治機関です。
大学と名前に入っていることから、ちょっと分かりづらいですよね。
国連大学は一般的な大学とは違い、シンクタンク機関と大学院の機能を持つ組織と言えます。
修士・博士の取得は出来ますが、大学を卒業した人に与えられる学士の学位は取得出来ません。
従って、入学は高校生ではなく大学卒業者か社会人が対象となっています。
では、ここでどのようなことが行われているか、気になりますよね。
国連大学では世界各地の国連加盟国の大学や研究機関と連携して、地球規模の課題解決に取り組むための研究を日々行っています。
また、大学院の機能としては2年の修士課程と3年の博士課程があり、サステナビリティ学の分野における人材育成を目指しています。
日本にありながら、授業はほぼ英語なので高い英語力が求められます。
学生も国際色豊かで、特に開発途上国の人が多いようです。
国連大学を語る上で欠かすことの出来ない重要なテーマが、この“持続可能性”という言葉です。
SDGsという言葉、耳にしたことのある人も多いと思います。
2015年に国連サミットで採択された、国連加盟国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標、それが持続可能な開発目標(SDGs : Sustainable Development Goals)です。
国際目標は17項目を掲げており、相互に関連しているものとなります。
※また、それらを達成するために169のターゲットで構成されています。
あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ
飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する
あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する
すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る
すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する
すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネ ルギーへのアクセスを確保する
すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する
強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る
国内および国家間の格差を是正する
都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする
持続可能な消費と生産のパターンを確保する
気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る
海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する
陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る
持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する
持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する
2030年までにこれらの目標を世界中の人々の暮らしを向上させるために、国連大学の職員も日夜研究に励んでいます。
数週間~数か月の短期集中プログラムもあるので、国連活動に興味がある人は参加してみても良いかもしれませんね。
貴重な経験を積むことが出来ると思います。
さいごに、余談ですが毎週土日に国連大学前の広場で青山ファーマーズマーケットが開催されています。
全国から集まった農家の人たちが丹精込めて作った農作物を販売しているので、こちらも要チェックです。