年々複雑化する入試方式。
大学によって名称も異なるため、いざ出願となった際にどの入試方式で受ければよいか悩む受験生も多いのではないでしょうか。
実際に、受験生から「学部個別入試と全学部入試のどちらを受ければよいですか?」という質問を受けることが多いです。
そこで、今回は全学部入試について見ていきたいと思います。
一般的に全学部入試とは1回の試験で複数学部・学科に出願出来る入試方式を指し、問題形式はマーク式であることが多いです。
もともと2006年度の入試で立教大学が初めて実施をし、今では全国の有名私立大学が全学部入試を導入しています。
そうなんです。
ここで注意してほしいのが、全学部入試の中にも全学部統一入試と全学部日程入試とあり、これらは意味合いが違ってきます。
全学部統一入試では先程の説明のように、1度の入試で複数の学部・学科を併願出来るのに対し、全学部日程入試はその名の通り全部の学部の試験日が同じという意味で他学部他学科との併願が出来ないんです。
ただこちらも例外があり、例えば青山学院大学は全学部日程だと学部間の併願は出来ないものの、学部によっては学部内学科間の併願が可能なケースもあります。
【文学部】
・英米文学科、フランス文学科の2学科間の併願が可。
・日本文学科、史学科、比較芸術学科の最大で3学科間の併願が可。
【経営学部】
・学部内2学科間の併願が可。
【国際政治経済学部】
・最大で学部内3学科間の併願が可。
【理工学部】
・学部内6学科のうち、最大で3学科間の併願が可。
ただし、選択する科目によっては出願できない学科があります。
【上記以外のその他の学部】
・一般入学試験<全学部日程>内での学部内学科間の併願はできません。
引用元:青山学院大学 一般入学試験<全学部日程>(2020年度)
また、大学によって全学部入試でも異なる名称を入試方式に記載している大学もあります。
有名大ですと、法政大学のT日程や日本大学のN方式などが挙げられます。
このように大学によっては入試方式の名前が分かりづらかったり、全学部日程入試でも併願が出来たりするので気になる大学はどのような実施形式かをHPやパンフで確認した方が良いですね。
「絶対にこちらの方が受かりやすい!」というのはもちろんありませんが、全学部入試の方が募集人数が少なく、且つ複数学部・学科への併願により受験者数も増えて学部個別より倍率が高くなる傾向にあると言えます。
ここまで聞くと、全学部入試の受験を躊躇してしまうかと思います。
しかし、志望度の高い大学であれば受験(合格)の機会も広がるので受けることをオススメします。
学部個別よりも試験日が早いケースが多いので、よい練習にもなるかと思います。
中には勉強している科目が、学部個別では受けられないが全学部だと受けられるということもあります。
※大学によっては、例えば文系数学受験や政経受験で学部個別だと英・国・地歴だけど、全学部だと英・数・国や英・国・政経で受けることが出来たりもします。
Aくん:受験科目が英・数・国で明治大学国際日本学部に行きたい。
→一般選抜だと試験科目が英語・国語・地歴公民のため受験不可
全学部3科目だと英語・数学・国語で受験可。
Bさん:受験科目が英・国・政経で立教大学社会学部に行きたい。
→個別日程だと試験科目が英語・国語・数学または地歴のため受験不可。
全学部3教科だと英語・国語・政経で受験可。
また、全学部だと試験科目数が変わる大学もあり、例えば法政大学のT日程入試(統一日程)は試験科目が2科目のみとなります。
1科目苦手科目のある受験生にとってはチャンスかもしれませんね。
このように、一口に全学部入試と言っても大学によって様々と言えます。
学部個別はダメだったけど全学部で無事志望校に合格出来たという受験生も毎年います。
気になる大学の全学部入試は、入試要項等で是非調べておきましょう。