勉強をしなければと思い、机に向かってはみたもののなかなか手につかない。
振り返ってみて、そんな経験が思い当たる方も多いのではないでしょうか?
何事も、やる気を持ち続けるのって難しいことですよね。
そこで、今回知っておきたいのが“ツァイガルニク効果(Zeigarnik effect)”という心理効果についてです。
ツァイガルニク効果は、勉強だけでなく社会人になった後の仕事などでも活用されたりする心理学の用語なので、覚えておくと今後の人生の役にも立ちそうですね。
勉強法に関する本でも書かれたりしているので、もしかしたら聞いたことがある人もいるかもしれません。
これは一言でいうと、人は達成したことよりも、達成出来なかったことや中途半端にしてしまっていることの方が記憶に残りやすいという心理効果を指します。
ドイツのゲシュタルト心理学者であるクルト・レヴィンと、旧ソビエト連邦の心理学者ブルーマ・ツァイガルニクによって証明された心理学です。
クルト・レヴィンが、
「人は欲求によって目標指向的に行動するとき緊張感が生じ持続するが、目標が達成されると緊張感は解消する」
という考えを提唱し、これに基づきブルーマ・ツァイガルニクが
「目標が達成されない行為に関する未完了課題についての記憶は、完了課題についての記憶に比べて想起されやすい」
との事実を実験的に示したことからこのように名付けられたそうです。
要するに、“完了させるより中断させた方が、記憶力が向上する”ということを意味します。
連続ドラマの最後の次回予告や、「続きはWEBで」といったマーケティングの手法なんてまさにツァイガルニク効果で興味を引き寄せています。
では、これを勉強に置き換えるとどうでしょう?
毎日の勉強の中でキリの良いところで学習をやめるのではなく、あえてキリの悪いところで終わらせて次の日を迎えた方がはるかに始めやすくなることが分かります。
人は何か目標を達成してしまうとそこで一区切りといったように、続きを再開しづらくなってしまいます。
一方で、参考書の文章を途中で読むのをやめたり単語の暗記をページの途中でやめたりしたら、なんだか気持ち悪いですが確かに「早く続きをやらなきゃ!」となりそうですね。
また、一日の勉強の終わりに参考書・問題集のページを開いたまま寝た方が、翌朝スムーズに机に向かえたという声も良く聞かれます。
大学受験はマラソンに似ているともよく言われています。
そう考えると、自分なりに勉強に集中出来る環境づくりを工夫していくことも非常に大切ですね。
興味を持った方は是非今日から実践してみましょう。