アメリカ国立訓練研究所より明らかにされた理論で、それぞれの活動(7項目)における平均学習定着率を表すモデル“ラーニングピラミッド”。
この学習モデルの名前を聞いたことがある人も多いかと思います。
下段に行くほど学習における定着率は高いと言われており、上の図からも近年主体的・能動的なアクティブラーニングが推進される理由が分かりますね。
講義をただ受けるだけだと、学習定着率はたった5%なんだ!
うん!人に教えることって教育効果が非常に高いと言われているよ!
従来の受動的な学びが上段に位置しているのに対し、積極的な学習である“人に教える”ことが定着率も最も高く、90%という驚異的な数値を叩き出しています。
そう考えると、高校でも“授業を受ける生徒”よりも“生徒に教える先生”の方が学習の定着化に繋がってるね!笑
「人に教えるのは、教えられる側の何倍も知識を有していないと出来ない」なんて言葉もありますが、人に教えることが出来てはじめて知識の完全定着と言えるかもしれません。
実際にこのような学びの場を作っている学校もあります。
関西屈指の超進学校、灘高校では放課後に職員室前の長い廊下で生徒同士が自発的にこのような教え合いを行っているそうです。
もちろん、学習定着を高めるために復習も大切だよ!
せっかく学習定着の高い行動をしても、復習を怠ってしまっては台無しですよね。
今から100年以上前にドイツの心理学者であるヘルマン・エビングハウスの行った実験では、私たちは日々の生活の中で得た新しい情報の約40%を、わずか20分で忘れるという結果も出ています。
メモ エビングハウスの忘却曲線
20分後・・・覚えたことの42%忘れる
1時間後・・・覚えたことの56%忘れる
1日後・・・覚えたことの74%忘れる
1週間後・・・覚えたことの77%忘れる
1か月後・・・覚えたことの79%忘れる
ただ暗記しただけだと、1か月後には覚えたことの8割忘れちゃうんだ!
定期テストと違い、大学入試では各科目の出題範囲も膨大であることから、受験勉強では短期記憶ではなく長期記憶を意識しなけれればなかなか成績UPには繋がりませんね。
そしてさいごに、記憶について考える上で欠かせないキーワードが脳の“海馬”です。
海馬では必要性があると判断した情報が大脳皮質に送られ、長期間保存されます。
通常、海馬に送られる情報は日常生活に欠かせない内容となるのですが、実は錯覚させることが出来るんです。
そのためには繰り返し情報を送る中で、それが重要な内容と思わせる必要があります。
同じ情報でもより多くの情報を送る方が錯覚をしやすいため、ここからも何度も復習することが大切ということが分かりますね。
反復の他には、「印象が強烈なもの」などがやっぱり長期記憶されやすいよ!
「勉強しているのに思ったように成績が伸びない」「暗記したことをすぐ忘れてしまう」
そんな時は是非この機会に、今までの学習スタイルを見直してみても良いかもしれません。