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大学志願者数ランキングで注意すべき数値

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よくネットなんかで見かける大学志願者数ランキング。

 

志願者数の増加は宣伝効果も大きく、話題に挙がりやすいことから毎年各大学が競い合っているような状況です。

 

志願者数が多い大学 = 世間的な評価の高い人気の大学

 

というイメージを持ちやすいですよね。

 

そんなランキングに、ここ5年くらいでTOP10入りを果たした大学が千葉工業大学です。

 

千葉工大と言えば惑星探査研究が有名で、その広報媒体として大学パンフに取り入れた人気マンガ『宇宙兄弟』の表紙デザインはインパクトがありますね。

 

JAXAやNASAとも連携して科学技術の研究・開発をおこなっているようです。

 

また、福島第一原子力発電所事故で投入された国産ロボット第1号は千葉工大のレスキューロボットだったりと、災害対応ロボットの研究にも力を入れています。

 

そんな千葉工大ですが、以前は留年率・退学率も全国平均を上回っていましたが教職員が一丸となり問題意識を持って改革に取り組んだ結果、数値は大幅に改善されました。

 

確かに学術的な研究成果や広報戦略、組織改革と大学側の地道な努力が見られますが、単科大学なのになぜここまで志願者数が多いんだろうと疑問に持つ方もいらっしゃると思います。

 

実はこれ、延べの志願者数なんです。

 

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最近では各大学入試形式も複雑化し、一度の試験で複数学部・学科を併願出来るところも増えてきています。

 

加えて、複数学部併願により受験料割引を行う大学もあり、定員管理の厳格化で合格者が少なくなっている中で一人あたりの受験校数は増えていると言えます。

 

例えば、Aさんが一度の試験で同じ大学の○○学部と××学部、そして△△学部を併願した場合、志願者数はどうなるでしょう。

 

実志願者数だとAさんの1名ですが、延べ志願者数だと3名とカウントされます。

 

そして、千葉工大では受験生の受験料負担軽減という名目で全学部学科併願出来る「クロスエントリーシステム」という制度を導入しています。

 

クロスエントリーシステム1(併願受験料優遇方式)

複数の学部・学科・試験日を併願受験した際の、受験料負担が軽減されるシステムです。例えば、同じ試験日なら、何学科併願しても受験料は1学科分(定額)です。複数日受験の場合、2日目以降の加算額は何学科併願しても1日5,000円のみ。また、大学入試センター利用入学試験(前期・中期・後期)でタイプIとタイプIIの両方を受験する場合の受験料は、受験学科数を問わず、1タイプ目の受験料分に、5,000円加算するだけです。受験料の計算例は下記「各試験種別受験料早見表」をご覧ください。

引用元:受験料負担軽減システム(クロスエントリーシステム)

 

これにより、千葉工大を受験する際に1回の試験で最大5学部17学科併願可能となります。

 

6名が全学部学科併願した場合、実志願者数は6名ですが延べ志願者数は102名に跳ね上がります…これってすごいことですね。

 

大学にとって志願者大幅増加に繋がり、受験生にとっても志望する大学への入学のチャンスが増えることからWIN-WINの関係と言えます。

 

しかし、一方で大学関係者から「延べ志願者数と実志願者数で実態が大きく異なっている。実数を公開するべきだ」との声もあがっていました。

 

また、関西圏だと近畿大学京都産業大学などもこうした併願により実志願者数と延べ志願者数に大きな乖離のある大学となっています。

 

センター試験まで残り3日、受験大学の入試状況の特徴を把握した上で試験に臨みましょう。

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